9人が本棚に入れています
本棚に追加
シアオエは旅の途中で立ち寄った宿屋に備え付けられている食堂で唸り声を上げていた。
シアオエ「うーん」
と言うのも、その日はクリスマスまであと二日。
折角なのでお世話になった人に何かプレゼントをしたいと考えていたが、シアオエは何が良いか悩んでいた。
みんなで食べれるケーキを作ろうと考えたが、シアオエは一人でケーキを完成させた試しがない。
いつも誰かの協力を得ていたので、いざ一人で作ろうと思うと勇気が居る。
だからこそ、シアオエはうんうんと唸っているのだった。
そんな時、同じ宿に泊まっていたディーンとヨルネッテが通りがかった。
ディー「そんなにうなってどうかしたのか?」
ヨル「シアオエさん大丈夫ですか?頭痛でしょうか?」
心配そうにシアオエの顔を覗き込むヨルネッテに、シアオエは慌てて答えた。
シアオエ「え?あっ、頭痛いんじゃないの。大丈夫だよ」
ディー「じゃあ悩み事か?」
ヨル「困った事があったら相談に乗りますよ」
シアオエ「え、えっと…良いのかな?」
ヨル「もちろんですよ」
ディー「もしかしたら協力出来るかもしれないぞ。話してみな」
シアオエ「あ、じゃあね、あのねっ」
シアオエはクリスマスケーキを作ろうとしている事を二人に伝えた。
すると…。
ヨル「それは良い案ですね♪私にもぜひ協力させてください」
ディー「私もだ!美味いものの事なら私に任せろ!!」
シアオエ「ほ、本当?」
二人の協力が得られると聞いたシアオエの表情がパッと明るくなった。
シアオエ「良かったー!一人で作った事がなかったから、不安だったんだよー」
ちょっと涙目になりかけていたシアオエに、ヨルネッテは優しく微笑んで言った。
ヨル「どんなケーキを作りましょうか?」
シアオエ「あ、うーんと…。イチゴショートも良いし、チョコも良いよね。ど、どうしよう…」
シアオエ「あ、えっと…。じゃあ、みんなが好きなケーキにしようかな…」
ディー「優柔不断だなあ」
シアオエ「ううー」
ヨル「でも皆さんが好きなのを作るのも良いですよね」
シアオエ「うん!あ、あのね、ヨルとディーは何ケーキが好き?」
ヨル「チョコレートケーキです」
ディー「私もだ。甘くないのが良いけどな」
シアオエ「二人共チョコのケーキが好きなんだ?」
ふむふむと頷きながらメモするシアオエ。
最初のコメントを投稿しよう!