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思った以上に血は出ていた。
そんなに深く手袋の上から傷ができるだろうか。
……………
本を持っていない負傷した指を下ろすと
真っ赤な血が一滴、床に彫り込まれている彫刻の上に滴り落ちた。
血はまるで小さな花のように足元に広がった。
「真っ赤な、薔薇…?」
静かな空気にヴェンハの声が響いた。
「ユ―ナが怪我をしている!他に負傷したものは居ないか?器物に支障を与えるような怪我をした者は外に出て手当てをしてもらってくれ!」
ジャンは新本の持っていた本を近くの作業員に預けると肩を抱くようにして支えながら出口に連れていった。
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