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月は細かい雲に隠れて、少し辺りが暗くなった。
二人はまた床を見て作業を始める。
男は何やら赤いものが床についてるのに気づいて、すかさず雑巾を取り出した。
拭いてもなかなか落ちなかった。
「ん?」
首を傾げて擦っていると、赤いものは床に彫られている溝に入り込んでいることを知った。
「…なんだ。これ、血か?」
そう言って呟くと、数メートル先にいたサイがピクッと反応してコチラを向いた。
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