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ガバッ…………!
勢いよく起き上がると
そこは見慣れた自分の寝室だった。
「………はぁ…はぁ…はぁ。」
動悸が激しい優菜は胸の辺りに右手を当てて服をギュッと掴んだ。
―夢だったの?
部屋の中を見回す限り、特に変わりはなく
午前6時に相応しい明るさに空が色づく。
恐怖と疲労感が彼女を襲う。
悪夢というのは何時もリアルで後を引くものだ。
今日は土曜日だから仕事は休みだった。
イタリア人は基本的に仕事は好きじゃない。
生き甲斐として仕事をする日本人の新本とは大分価値観には差が有った。
だから、臨時出勤なんて心配しなくてよいだろう。
優菜は一つ小さな身震いをしてまたベッドに転がった。
―どうか夢でありますように。どうか[リアルだった夢]となりますように…
彼女は頭の中で
どうにか落ち着かせようと言葉を唱えているうちに
また眠りについた。
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