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口をキュッと結び、拳に力を入れて早歩きで進む。
ペーな奴等が集まってる所とは出来るだけ離れて歩いた。
広場がやけに広く感じ、路地に入るあと5mというところだった。
迂闊だった。
いきなり視界に人が飛び込んできたのだった。
「ばぁ!」
「ひゃっ!」
思わず目を見開き、声をだしてしまった。
非常にまずい状況だった。
「やっぱりだ。リスト、こいつ女だよ。ひゃっだって~♪」
飛び出してきた男は耳にも鼻にもピアスをして唇には何個も穴を空けていた。
髪の毛はチリチリでいかにもヤンキーみたいだ。
リストと呼ばれた奴は優菜の斜め後ろから声を出した。
「へぇ。珍しいね―こんな時間に買い物ですか?変わり者だね。ククク」
いきなり優菜は走り出した。
「!!」
でも手はすぐ、捕まれてしまった。
リストという男に。
こんなにも近くに居たなんて…
fuck……
「おめぇココの奴じゃねえな?」
リストは目深に被っている帽子を見下ろしながらニヤッと笑った。
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