プロローグ

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怪しげに輝く満月の夜、2人の人影があった。 1人は若い17才前後の青年。 綺麗な装飾の施された鎧を身に纏い、しかし重々しい雰囲気はなく機動性にも優れた白銀の清らかな鎧だ。 腰に下がるのは両刃の剣、魔を祓う対魔の刃が鞘に納められている。 整った顔立ちに長めの銀色の髪、そして目にはスカイブルーの正義感溢れる瞳が覗く。 一方、もう1人は初老の男性。 漆黒の衣装を身に付け、背中からは紅のマントが靡いている。 身体から陽炎の様に揺らめく魔力はその者の実力を体現し他を圧倒させる。 灰色の短い髪に威厳のある顔付きの中にカリスマ性を秘め、金色の眼は常に先を見ている様な眼差しだ。 彼らはこの世界では【勇者】と【魔王】と呼ばれている。 勇者の名をライキ・ザルツェン。 魔王の名をザーギン・ギルベルトという。
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