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「二度と私の前で口を開くな」
「ああ、わかったよ……」
炎の竜が火球に戻り。次第に小さくなっていく。
騒ぎが終わったなと、野次馬が去っていく。
あの炎の龍すごいなぁ
さすがにカレンジの娘
あの男たちカレンジ様を悪く言うなんて信じられない
でも噂だとカレンジがなにかやらかしたらしい。
いろいろな話が聞こえてくる。
「なんや、わいの知らない情報があると疼くわー。ロイ。わいらも戻ろうや。
……ロイ?どないしたんそないな怖い顔しおって」
「気が消えてない、なんかある」
「殺気?そないなものは物語の主人公だけがわかるものやで」
アルがそういったとたん男が立ち上がり、杖をかざす。
「邪悪な御神酒。荒れ狂う敵意となりて相手を呪え!」
呪文を唱え、小さな杖で地面に模様を書く。
「仕返しだぁ!くらいな!」
地面から青黒い水が溢れ、水の柱がてきた。そこから何発も水弾が一人の女に殺到する。
が、完全に不意をとられたと思われていたカレンジの娘は眉一つ動かさない。
「だと思っていたよ」
小さくしたのではない圧縮していた火球が一筋になって放たれた。
それは水弾をすべて弾き、ほとんどを蒸発させ男へ迫る。「……ロイまずいわあれは。水で相殺してはいるけど直撃したらどうなるか……、あれ?ロイはどこや?」
男の目の前にいた。位置的には直撃する場所。
「ろっ!ロイぃぃぃ!?」
「な!?」
流石のカレンジの娘もロイの行動には驚いた。
「どけろ君!けがではすまいぞ!」
ロイはそんなことお構いなしに、両腕を前に出し集中する。
手に当たった部分だけに効果が及ぶように。
「ディスペル!」
ロイは水柱にふれながら叫んだ。
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