一日の長いこと

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ロイは荷物に手を着け、着替えを取る。 その際に、時計が机の上にあるのを発見した。 現在午前3時。 おそらく6時までには全て済ませてしまった方が良いだろうと予測を立てて、シャワーを浴びた。 部屋に備え付けつけられているタオルで体を拭き、着替え、汚れた服を簡易洗濯機で洗った。音の余りでない簡易式にしては性能が高い洗濯機だ。 「貴族の寮とかは召使いとかいそうだなぁ」 電気。とても貴重なエネルギーだ。魔法や熱などで発電することは出来るが、発達の具合によって電気のない町や村が存在する。 この学園は特殊で自己発電をしており、ひと通りの電化製品は全て使えるが 「おっさんの所より設備いいんじゃないかな」 高価なのだ。使うにしても電化製品を買うにしても。 電話などもあるが、基本的に国と近隣の発達した町にしかない。 荷物整理を終え、やることがなくなったロイは時計をみた。5時。 「時間のかかる飯でも作るかなぁ」 台所に移動し、何があるか詳しく調べる。 なぜか乾燥麺が大量にある。アルが料理が作れない人と相部屋になったときに困らないように買ったものだ。 朝から食べるには少し重い料理を頭に浮かべながら、手を動かしていく。 「あとは10分くらい煮込めば……」 そのとき、なにか硬いものにおでこをぶつけたような音がロイの耳に届いた 「……外からだな?」 扉を開く。そして再び同じ音がして、痛みにもだえる女性の声がした。 「いったぁ」 「……」 「はっ!見られてる!?」 「……」 「そんな見つめないでけださぃよぅ」 「……」 「ご……ごめんなさい」 ロイに睨み続けられ、観念した。表情が少し落ち込み気味になった。 「ん、で何してるの?誰さん?」 すぐさま表情を切り替え晴れ晴れとした笑顔を浮かべた。 「私はユユ。いい匂いがしたもんで何かなぁっとふらふらしてたらここについたわけです」 一度目の音はおでこを扉につけた音らしい。 「まぁ飯は作ってるけど」 いいなぁ ユユはそう言わんばかりによだれ口端から垂らす。 「まぁ量はあるからいいよ。相方とこいよ」 晴れ晴れとした笑顔がさらに輝いた。
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