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「私一人部屋なんですよ。人数余っちゃったみたいで。ちなみに料理なんて作れませんよ!」
「はいはい聞いてないよ」
「そう言えば君カレンジ様の娘さんの魔法をディスペルした方じゃないですか!お名前を教えてください!得意な魔法は何ですか?近くで見ると細身の割にたくましいですね!体術とか得意ですか!?」
質問ラッシュにロイはたじろぐ。
今日の学校でもこんな感じになるんだろうなと思ったロイはため息をした。
「俺はロイウェル。ロイでいいよ。あと質問は受け付けません」
「えーどうしてですかぁ」
「飯」
「むろん!そんなことは聞きませんよ!」
ユユはロイに餌付けされたのに気づいていない。
部屋に戻るとアルが起きていた。
「なんや、ええにおいがすると思ったら、さわがしい、誰や?朝飯や?」
寝ぼけているようだ。
「廊下であったユユって人。椅子二つしかないからユユは立って食え」
「なんでですか!こういうのはレディーファーストと言うのがありましてね」
ロイは作ったものを皿に盛り付けながらユユをちゃかす。
「レディー笑ね、わかったわかった」
「なっ、納得いかなぁぁぁぁぁ!?」
「なんやこれはぁぁぁぁ!?」
何故かリゾットが出てきた。
「トマトがあったからトマト味にしてみました。苦手だった?」
二人は大きく首を横に振る。アルは衝撃の大きさからか目を完全に覚ましたようだ。
ユユにしては泣いている。
ロイは我ながらうまいと言いながらもう食べていた。
「うぅ、寮生活でこんな美味しそうな、ムグ、美味しい物が食べられるなんて思わなかったです」
「わいほんまロイと相部屋で良かった!」
「まぁよろこんでもらえて良かったよ」
二人の歓喜の様にロイは若干引き気味になった。
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