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ロイは着替え、腰にナナリアを差し込む。最低限の荷物を持って。
アルはまだ春先だというのに半袖のシャツを着て。
ユユは薄く化粧をして。
それぞれ身支度を済ませると
「行ってらっしゃーい」
「行ってきまーす」
「行ってきますわ」
「行ってくるです」
マーシスに挨拶をして外にでた。
「今日は、何をするんだ」
「学校を歩き回り、どんなことができるが聞いて、どんなことを修練するか決めるんです」
「あとは仲間集めやな」
ロイは首を傾げる。
「あぁ、仲間集めっちゅーのは、依頼を一緒にこなすグループを作らんといけへんのや」
「最低4人、最高8人のグループです。これを作らないと戦闘系の依頼が受けれないんです」
ロイは何とか頭に入れた。他にも、依頼は討伐・狩りなどのほうが報酬金が高い。グループのバランスが大事。受ける修練プログラムは細かい種類があるなど聞いた。
中でも一番ロイの興味を引いたのが
「大気魔力の応用エンチャント……」
生命が所持している生命エネルギー。空気中に含まれる不可視な大気エネルギー。
これらを総じてフィクスと呼ばれている。
魔法はこのエネルギーを用いて発動する。
このカリキュラムは、大気エネルギーだけを用いて体や武器に魔力付与(エンチャント)を行う技術。
これを習得すれば常に魔物と……
と思ったところで。
「やめときー。それはゲキムズのカリキュラムや。わいは三年間かけて学んでもできる気がせぇヘんわ」
「……やめとく」
魔法を知っているアルが三年かかってできないなら、自分は一生出来ないだろうと思わざるを得なかった。
「私もそれはお勧めしないです」
「やっぱり俺は総合体術か武器修練術かなぁ」
体術系のカリキュラムは三つしかなかった
肉体と気を使う気戦術。
様々な武器を使う武器修練術。
いかなる場合においても対応できる術を学ぶ総合体術。
気とは魔力を体外ではなく体内に満たす技。無論ロイは出来ないので無理。
「まぁ見学できるから見てから決めればいいと思います」
「そうやな。お、ついたで」
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