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「俺たちも急いでグループ作ったほうがいいのか」
ロイは直ぐに気持ちを切り替えて、ユユに話しかけた。
「え?あ、そんな訳じゃないです。と言うのは私の場合で、それほど高成績を狙わないなら、それほどのグループが作れればいいのです」
依頼の達成内容が主な成績になる。
卒業までにこれが高いと、国から声をかけられることもあり、皆必死なのだ。
「ホンマ、ロイの凄さをわからん頭でっかちどもやな」
そんな話どうでもいいとばかりにアルは依然ご立腹中。
『静かに』
拡声器で出された声に集会所にいる全生徒が反応する。
『これから今日から三日間お前たち一年がすることを連絡する』
低い男の声だ。響きがあり、不快感を与えない声だ。
ただ、覇気がない。
やる気がないと言い換えてもいい。
『たるい、お前やってくれよ。……あーわかったよ、やればいーんだろ』
「だめですこいつ」
恐らく集会所にいる全生徒がそう思っただろう。
『一つ。カリキュラムを見学して学びたいのを決めてくれ。三つまで選択できるぞー』
仕方ないからという雰囲気が声だけで伝わってくる。
ユユとロイは苦笑するばかりだ。
『二つ目はグループだ。作れなかった奴らは存在するグループにこっちが勝手に振り分けるからな、以上』
出入り口に職員がやってきて、そこに机を配置して紙束を置いた。
『校内案内パンフレットだ。出て行くときにとってけ、じゃぁな』
「なんやったんや今の」
それも誰もが思っただろう。
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