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「ルシファーの娘!?」
「ど、ど、どーしようアル!私お化粧してないです!」
「ちゃう!今はそんなの問題やない!決闘ってどういことや!?」
「……アルレンス・ユノワール。今女性のたしなみをバカにしましたか!?」
ユユが怖い。
アル達は食堂兼売店の総合補充所という、椅子とテーブルが大量にあるこれまた広い部屋の売店の一角にいた。
アル達を見つけ出したロイは、ルルがグループに入ってくれることと、決闘をすることになったと言うことを伝えた。
ルルの提案で賭けをしていることは伏せておいた。
アルとユユはすぐにルルの仲間入りを承諾し、決闘で相手になる呪術使いをどう倒すか、ルルを交え作戦を立て始めた。
「ロイのディスペルはなかなかのレベルやけど。呪術相手やとかなわんなぁ」
「せっかく近接強いんですから瞬殺狙いでいけばどうですか?」
「セゼブラスと言うやつは力こそ高くないが、素早く連続して魔法の発動ができるから辛いかもしれん。ディスペルだって連続して使えるものじゃないだろう」
ロイは一人会話に混ざれずサンドウィッチをかじっていた。ユユが売店で買った物を朝のお礼として貰った物だ。
みずみずしく歯ごたえのあるキャベツと、味に深みがある照り焼きチキンをサンドした簡単なものだが、ちょうど良い甘辛いチキンは美味だった。
「……なぁーなんで呪術だと駄目なんだ?」
口に含んだものを飲み込み、ロイが訪ねた。
「呪術は基本的な部分で他の魔法と違うんや」
魔法は想像。しかし呪術は相手への負の感情をぶつけるという想像力とは全く関係がないものだ。
魔法を構成する要素が違えば対応の仕方も当然違う。
ディスペルは相手の変換されたエネルギーを純粋なエネルギーで相殺する技。
しかし呪術はエネルギーを変換せず、対象者に内側から効果を及ぼす。
「せやからディスペルは無理なんや」
「うーむ……」
ロイは端から見れば悩んでるように見えるが、実際はそれほど悩んでいなかった。
「ようは呪術の効果を受けながらも対処できたら問題ない」
「ロイ……」
そうロイが言い放った瞬間三人が馬鹿をみるような目でロイを見た。
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