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「ロイーお前目立ちたくなかったんちゃうかー?」
アル深くため息をついた。そのことを知らなかったユユは
そうなの?
と、聞こえてきそうな表情を浮かべた。
「そう何だけどなー。まぁいいや昼飯食べようぜ。一回寮に戻っても大丈夫?」
「基本的に授業のない生徒は自由に学園内を移動できますです」
「じゃ戻ろう。なんかパスタあたりでも作ってやるぜ」
二人の目が輝く。二人は完全にロイに餌付けされているが、気づいていない。
三人は材料を買い込み寮に戻った。
このままパスタを作り、おいしい昼食時間になるはずだと三人とも思っていたが
「さっきの獣人やないか……何してるんや」
アルは寮の屋根の家で寝ているの獣人を発見した。
寝ているといっても、目を開けて横になっているだけだが、ちょうどよく日が当たり、気持ちよさそうに動く尻尾を見ると、変に羨ましく思うのはアルだけじゃないだろう。
「気持ちよさそうですー」
ロイはその様子をほほえましい様子で見ていたが、急に神妙な顔つきになると口を開いた。
「アル。ユユ。あいつ誘おう」
「「はい?」」
「ぜったい面白い!」
二人の返事を待たずに地を蹴り、屋根に登るためのはしごを登り始めた。
2人は別に反対する理由がないため引き留めなかった。
というより、いきなりのロイの行動に唖然として動けなかったというのが正しい。
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