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ロイの到着から3分後、試合開始の合図を職員に告げられ闘技場へと移動する二人。
メインフィールドである観客席に囲まれた円形の舞台に二人は颯爽と現れる。
負ける気など微塵も、
(……たとえ負けても無様はさらさんぞ)
あるにはあるが、とりあえず二人とも勝ち気な姿勢だ。
観客の数をみるまで。
爆音。
盛大な歓声はルル・ルシファーに送られた。ルルもロイも耳に響く甲高い声に驚きを隠せない。
「う、うるせぇ」
レンタルした魔法剣を地面においてロイは耳をふさいだ。
闘技場の試合で自分の武器を持ち込むことは許可されているが、ナナリアを使うことを避けたかったロイは、試合にでる人に無料で貸してもらえる魔法の剣を借りた。
「か、歓声に驚いている場合か!行くぞ」
ロイをもしくは自分を叱責し、ルルはすでに中央にいる二人に向かって歩き出した。
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