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「よくきたね墓場に」
セゼブラス・リーグリングが言う。
「こいつらか。僕はアッシ・ヴォイジャーク。上流貴族さ凡人ども」
名乗った紫色の長髪の男。服は黒を基調としたローブを羽織っている。
「ルル・ルシファーだ。逆恨みを返り討ちにしにきたぞ」
「あ、自己紹介の雰囲気?ロイウェルだ。よろし……く?」
三人がにらみ合いを始めた中で一人だけ空気を読めてないロイが軽い感じで自己紹介を始め、三人に睨まれた。
「セゼブラス、こんな奴らを俺に討たせるのか?」
アッシは呆れながらセセブラス言った。
「すいません先輩。僕一人でも良かったんですが、圧倒的な勝利にしたかったんです」
返答内容は一人でもルルを倒せるというものだった。そのセリフはルルのプライドに障った。
「ほぉ、おもしろいこと言うな。なら始めは私とお前でやろうじゃないか」
チャンスだった。ここで先にセセブラスをうまく倒すことができれば、アッシをうまく倒せると思った。
しかし、そううまく乗ってくれるわけもないと思ったのも当然の思考であり、行き当たりばったりな作戦であるということをルルは理解していた
(なにか餌を)
「いいだろう」
突如、言いしれぬ不安感を抱くルル。セゼブラスの目が怪しく目を細めている。だが、ここまできて引くことはできない。
「審判!ロイウェル下がってろ」
「お、おぅ?」
「先輩下がっていてください。ロイウェル、ルル・ルシファーお嬢様に危機が迫ったら、いつでも助けにきていいぞ?」
「ぬかせ!」
ついに切って落とされた戦いの火蓋。
先鋒はルル・ルシファーとセゼブラス・リーグリング。
『あー、あー、ども、審判です』
拡声器から聞こえてきたのはすごくやる気の無い声。
(ガルシアさんじゃないか?)
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