ミスティック・アタック

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魔物。 この世界にはその名前で呼ばれる生物が多く存在する。 魔物は、魔法を利用したエネルギーでしか倒せないのだ。 「じつはそんなに強い人でもないんだけど」 ならなぜ先ほど魔法の使えないロイがリザードと言う魔物を倒せたかというと、短剣のおかげ。 使っている短剣が魔法的なエネルギーを含んでいたからである。 「まぁでも、なんとかなるから安心しとけ」 術はある。 だからロイはとにかくナナを心配させないように尽くした。 「……うん」 そして着いた。 「……20はいるなー」 20はいた。リザード達は村を徘徊していた。 「村の人たちは?」 「地下の避難場所に固まってるはずだよ」 人の血が見回してもそれほど見つけられないのはそのためだろう。 しかし、ロイにいくつかの疑問が浮かんだ。 「いくつか質問させて。 ナナは何で逃げ遅れたの?」 ピクリとロイの背中で小さくはねた。 これは一見何ともないような質問に見えるが、かなり重要である。 なぜナナをのぞいたほぼすべての人が避難できたのに、ナナは何で避難できてない? 入りそびれたとかなら、魔物に隠れている場所がばれているなど考えられる。 ちょっとした情報でも欲しいロイとしては、ナナに答えてほしかったが 「……」 ナナはそのままうつむいてしまった。 口を開いてくれそうにないと判断したロイは 「答えたくないならいいや。次の質問は、皆どの辺に隠れてるの?」 「あの一番大きい家の地下……」 村長だろうか。ひときわ大きい石造りの赤い屋根の家が村の中央あたりにあった その家は囲まれていた。ばれてそうだなと言うのがロイの率直な感想だ。 「最後の質問。群のリーダーを見た?」 リザードは、群がって人を襲い喰らう魔物だ。 故にそれを一括してまとめる、群の中で一番強いリーダーが存在する。
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