決闘する……?

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セゼブラスはとっさに紫色の魔石と呼んだ物を熱線の直線状に移動させ、防御を図る。 熱線は紫色の魔石に吸い込まれるようにして、消滅していく。 「熱っ!」 全て吸い込まれ、熱線はその猛威を失った。 その代わり多大な熱が魔石に集中し、ひびが入り、そのまま砕けた。 「くそ!紫魔石(ハディア)が……!」 ルルは熱線がセゼブラスに届かなかったことを見届け、肩を落す。 (しかし、あの厄介な魔石を壊すことには成功した。何発も炎紋式火龍召喚術、あいつは水龍召喚術か?それが使われると……?) 次第に近づいてくる地面に違和感を覚えるルル。 「おい!?」 ロイがあわてて駆けつける。 しかし、間に合わず倒れてしまう。 「くそっ!動け私の身体!」 ---- 「打ちすぎたんや!」 アルが叫ぶ。 「あんな大呪文。大人でも連続して放つなんてなかなか出来ないです!」 ユユも叫ぶ。 高位な魔法を放てば放つほど身体から生命力は魔力へ変換され、次第に身体が弱っていく。魔法使いは、生命力という普段感じられ無いものを、限界という感覚、自分が空っぽになるような感覚を感じ取って魔法を使う上で自分の限界を見極めないといけない。 無論その感覚というのは何度も経験しないと覚えられないかすかなものだ。 ルルはその感覚を感じる前に大技を何発も放ちすぎた。 「炎龍にアレンジした大技を二回。どう考えても限界ギリギリやで」 心配そうにつぶやくが、その様子を見ていることしか出来ないアルとユユは拳を握り締め、行方を見守る。
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