決闘する……?

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「津波が割れた!?」 ルルがその現実に驚愕し、組み立てていた攻撃にも防御にも転じることの出来る魔法を崩しかけた。 「ルル!」 ロイの叫びではっとする。壊れかけた術式を寸のところで持ちこたえ、作り上げた術式を自分の身体を媒体に赤魔石(レディア)から魔力を吸出し、得た力を現象へと変換する。 「飛べ!三対の槍!」 赤魔石から取り出した三対の炎の槍がセゼブラスへ殺到する。セゼブラスは水壁を瞬時に作り出すが、相殺しきれず、その身に槍を喰らう。 魔法によるダメージは肉体ダメージより、精神的ダメージが大きい。炎の攻撃を喰らって服は燃焼し、身体は火傷を負う。が、それ以上に脳に直接伝わる実際に焼けたダメージ以上の痛み。これが相手を深刻なまでに痛めつける。 それを右手と左脚に直撃する。 セゼブラスの悲痛な悲鳴、一拍おいて炎の槍は弾ける様に消えた。 身体を直接魔力で覆い防御する。 魔力の効率が悪いが、とっさにする防御としてはかなり有効だ。誰でも一番初めに習う基礎中の基礎。 その方法で直撃した炎の槍を弾いた。 セゼブラスが膝を突くのと同時に荒れ狂う津波が一挙に霧散する。 観客の視界を遮り、闘技場にいる四人を覆っていた津波が消え、その場が静かになる。 静かな時の中で、ロイの持っていた剣が粉々に砕ける音が響いた。 場が、逆転していた。
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