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ルルはしばらく決闘場で休憩していくとの事。それを承諾し、帰り道についたロイ、ルル、アル。
「結局、俺はディスペル一回しただけで活躍してないなぁ」
「津波をディスペルしたんか? やっぱロイのディスペルは強力やな。ほんまにディスペル以外の魔法使えないんか?」
「はー、すごいです。いくら魔力密度が薄いとはいえあれほどの魔法ディスペルするなんて。今度コツを教えてくださいです」
「え? あ、あははは」
「?」「?」
突然のロイの笑いに首をかしげる二人。なぜ自分達の質問はスルーされたのかは分からなかったが、言いたく無いこともあるだろうと、深く追求はしなかった。ロイが他の魔法を使えようが、ディスペルのコツを教えてくれなかろうが、学園という学び場がある。そのうちロイも魔法が使えるようになり、コツも他の誰かが教えてくれる。
「そういえばチームメイトどうしようか」
~二日後~
「ルル! 居たか?」
「だめだ。殆どチームを組んでいる。それに私を避ける傾向が強いようだ」
「わいもだめや! ルルとロイの噂が強すぎて、わい達の顔もよー広うなっとるわ」
「私も駄目です。話も聞いてくれません!」
「あー、あたいはほら、外見からどうも避けられるみたいで。他の獣人たちは獣人だけの6人グループ作っちゃって、もう知り合い居ないわ。あははは」
「俺も、皆と似たような状況」
学内の広場にひときわ大きいブルーな空間を作り出す五人。勿論、色ではなく、哀愁という雰囲気の意味のブルーで、だ。
ロイ、アル、ユユ、ルル、シキの五人はこの三日間、人を探したが、誰も居なかった。疎らにチームに入ってない個人が居るようだったが、その人達はロイとルルという二大有名人のいるチームを避けている傾向が強かった。
「あたい、もう諦めて帰っていい?」
「待てウィルスシキンス」
「長いから短くていいよルシファーさん」
「私もルルでいい」
「じゃーあたいを短く呼んでよ」
「く……っ」
その二人のやり取りを面白いなぁと三人は眺めて、はぁ、と溜め息をついた。
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