ミスティック・アタック

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短剣は不思議な光を放つと、短剣の刃に沿って七色に光る刃を生み出した。 長さは一メートルほど。魔法についてそれほど知識は無いロイにはわからないが、多少なら魔法について知っているナナにはそれがどれほどのものか感じ取れた 「なにこの魔法……!?」 普通ならあり得ないほどの密度の魔力が刃になっている。 ロイは一番近場にいたリザードを斬りつけた。 声を上げる間もなく、リザードは倒れ二度と動けない体になった。 そして 「ひっ」 リザードの目が二人の人間に集中する 「剣を持ってる……あいつだな?」 その大群のリザードのなから一匹、剣を持ったリザードがいた。 そのリザードが指示を出す。ロイにリザードが殺到する。 「せい!」 攻撃の届く順にロイはリザードを走りながら斬り伏せていく。 リーダーに向かって一直線。 ナナは激しい上下運動に吐き気を覚えながら村の周りを見やる。 ぞくぞくと沸いて出てくる。その数は村にいるリザードの数以上。 ナナはあの場所で待っていたらと思い、一人身震いをした。 「ロイ!まずいよ!」 「わかってらぁ!」 八匹斬り伏せたところでロイは目的のリザードに到達。 リザードは慌てて剣を振るった。 ロイが短剣を振るい剣に七色の刃をあてる、するとそのぶつかった部分から剣自体が切れてしまった。 「さすがはおじさんの剣だ!」 そうロイが言うと、そのリザードはすで地に伏せていた。 「終わったの……?」 ナナがつぶやく。 「ああ、多分っ!?」 ロイは突撃してきたリザードを斬り伏せる。 「なんで!?」 次々と突撃してくるリザードからロイは距離をあけ、村の広場に出る。 そこで気づく。 「リーダーは複数か……失敗したなぁ」 30近くのリザードに囲まれながら、ほかに剣を持ったリザードを見つけた。 「ロイ……もう無理だよ」 心配にならないわけがなかった。 諦めるしかないと思うしかなかった。 ここまできて、さらに囲まれてしまうともうほとんど助かる見込みなんてない。 ナナはそう感じた。
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