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「はいはーい。仲良くは後でしてねー」
いちゃついている暇はない。
幸村は顔を赤くし我に返ると、すぐさま紙に筆を走ら始めた。
他の者達もすぐさま準備にかかる。
「姫様、こちらへ…」
「はい」
豊臣に出向いても恥ずかしくないような出で立ちでいかねばならない。
(これは戦だ)
美音様を女中に任せ、自分も身支度を始める。
表向きは付き人として…しかし護衛という任務がある。それなりに派手に見せねばならない。
「…手伝おうか?」
「佐助…」
着ていく服に悩んでいるところに佐助がやってきた。
「自分の仕事は終わったのか?」
「まぁね。だから鴉のを手伝いに来たんだよ」
そういうと勝手に自分の隣に立ち、衣装に目をやる。
「これじゃダメだな…おいで」
「!!」
ぐぃっと腕を引かれ、私は無言で付いていく。
着いた先は佐助の部屋だった。
「これとこれと…」
「おい…なんだこれは…」
「なにって着物だけど?」
佐助が取り出したのは女物の着物だった。
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