第一章

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☆★☆ 「やっぱライブはさいっこー!!!」 女は豪快にビールを飲んだ後、 ぷはぁーっと息を吐いた。 ライブ後の打ち上げ兼、反省会。 否、反省などした事ないのだが。 「お前さぁ、客に命令口調なのやめろって。てめぇらとか呼んじゃってるし」 未成年だろ、と女からビールを奪い取りながら隣に座る男は言った。 BREAKのベース 黒崎蘭。 彼は根っからの真面目で、なぜパンクバンドをやっているのか謎である。 女は奪われたビールをさらに奪い返しながら蘭の耳元で叫んだ。 「うるせぇなー!!いいんだよ皆はあたしが大好きなんだから」 蘭は耳を塞ぎながらも、 「そういう問題なのか…」 と呟いた。
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