第一章

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一年前。 『すいません…』 珍しくしおらしい態度の樹を心配し、ハルは振り返り背中に乗る樹の顔を覗き込んだ。 『おんぶなら気にすんなよ?お前酔ってんだからしょうがね、…』 ちゅっ 『え…』 突然のキスに戸惑うハルを見て樹はクスッっと笑って言った。 『酔ってなんかいませーん。あんたと2人きりになるための口実だよ』 『…』 『あー。あんたのビックリした顔面白かった!!写真撮っておけばよかったね間抜け面』 『…』 『なんか言いなよ』 『…』 『…』 『……なんで泣いてんの?』 『うっせーな!!ちょっとは照れるとかしろよ!!あたし頑張ったのに』 ハルは、そっと樹を下ろし向き合った。 『選択肢は二つだ。家に来てヤるか、この場でヤるか。…どっちがいい?』
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