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しかし、フレイムボールはシルファリオンによってルードの目前で全て掻き消された。
シルファリオンはその身に纏う風により初級魔術や多少の飛び道具なら掻き消したり、軌道を逸らすことが可能なのである。
魔術師の目前でルードは拳に息を吹き掛けた。そう、今から拳骨でもするかの如く。
ハァ~~~…
「家の壁の分!!」
ゴスッ!!
「台なしにしたカレーの分!!!」
ゴスッ!!!
「最後に…平和な生活を壊した分!!!!」
ザシュッ!!!!
理由は少しアレなのでリノアは驚いたが、身のこなしや剣閃の鋭さから見てもルードの実力は間違いないようだ。
「ル、ルード殿…巻き込んでしまって本当に申し訳ございません!」
「………さっきの話し受けてやるよ。」
「え…!?」
突然の言葉にリノアは意味が分からなかった。
「軍に戻るって話しだよ。家もこの有様だし、蓄えてた野菜や薪も全部ぶっ飛ばされちまった。」
「あ…ありがとうございます!これで国王もお喜びになられます。誓って失礼のない待遇をお約束します!」
そうリノアが言い終わるか終わらないかのうちにルードは歩き出した。
「支度してくる。」
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