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「簡潔に言います。先の戦争を終結に導いた貴方のお力を我が国は必要としております。」
彼女の話しを要約すると、ここ最近緊張状態にある各国において牽制・対抗する為にルードの力を借りたいということらしい。
ただの一義勇兵に過ぎなかったルードに対し、この扱いは異例である。
「話しは分かった…だが、それは無理な話しだ。それに俺にはそんな力はない。」
冷たく言い放つルードだが、女性は断られることは分かっていたかのように表情一つ変えない。
「貴方は戦争終結後、富や地位、名声を得ずに軍を抜けた。」
ルードは戦争終結後、先代国王より富、地位、名声、いかなる褒美も与える、と将来を約束されたが、ルードはただ一つこう望んだ。
「願わくば、軍を抜け戦いとは縁のない生活を送ることをお許し下さい。」
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