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「幼い時から父親の趣味のクレー射撃に興味を持ちだし、4歳の頃に本格的にクレー射撃をはじめる。小学校1年生から6年生までJr.大会連続制覇。中学時代では世界大会に出場して見事3制覇を達成。世間からは稀代の神とたたえられていた。だけど高校生になっていきなりクレー射撃の世界から抜け出す。以後、高校を卒業し。普通の大学生として生活をしている」
全てあっていた。クレー射撃をやった意図も生年月日も家系も……
「蒼堂くんの事は全て調べましたから」
「……」
「蒼堂くんにはこのBGの射撃を担当してもらいたいんです」
唯李が俺を必要としている理由……神と呼ばれた射撃能力を必要だったからだ。ありえないとしか言いようがない。唯李は笑顔で俺を見ていたが、しかし。
「……無理だ」
そう……もう俺は引き金を引くことは出来ない。
「頼む、降ろしてくれ」
「それは出来ません」
「だから無理だって! 言っている!」
本当は何かを叩きたかったが、周りが周りなので叩くことは出来なく、拳を作った左手は空を切る。
「……やっぱりあの事件の事を」
「あぁそうさ! 俺はもうあれ以来銃は握らないと誓ったんだ! 2度と!」
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