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「電磁加速銃。2本の導体レールを使って弾丸を電磁誘導していき弾速と威力を格段に上げた超遠距離用武器です」
確かに、外部が見えるモニターからそのレールガン、SRGを見ると真っ直ぐと伸びた上下2本のレールが存在している。発射された弾丸はこれを伝っていって加速度を増していくのか。
「それはあなたにピッタリな武器ですよ」
「……」
レバーを握っている手が汗ばんできた。緊張と恐怖から生まれたそれはじわりじわりと手のひら全体に広がっていく。落ち着こうと俺は目をつむり、無の境地、頭の中を空っぽにした。
――その瞬間だった。敵の接近を知らせる警告音が鳴ったと同時に目を『かっ』と見開く。
「敵BG接近! 戦闘プログラムに移行! スラスターフルスロット!」
零七の脚部のみ付けられたスラスターを全開にした後、全てのシステムを戦闘用に展開される。
「マニュアル通りにやれば。レバーは腕操作、足のペダルは腰の回転用……!」
「――来ますっ!」
モニターに映された2体の巨人、黒いBG――あれはまさしく俺の敵だ。
2機のBGは地上に着陸して、こちらの動きをうかがう様子で零七を見ていた。
「はっ、何だここは。1機だけか?」
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