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「油断するなよ軍曹。敵も騎装兵器だということを忘れるな」
「へへっ、ここは任してくださいよ海原大尉。あんな奴、我輩だけで倒して来ますよ」
そのうちの1機が一歩前に足を踏み出して腕のライフルを零七に向けた。
「生意気なんだよ……非国民が帝国に逆らうなんてな!」
敵はライフルから弾丸を放った。しかし、唯李はライフルを構えた時点で予測したのか、機体を横に移動して数発の銃弾を回避した。
「私は回避行動を始めます――蒼堂くんはSRGで!」
「わかった!」
機体の脚にあるスラスターから大量のエネルギーが放出され、零七は空へと羽ばたいた。
「――この!」
地上の獲物を鷹が狙うように精神を研ぎ澄まし、敵のBGをロックオン。躊躇いなく俺は引き金を引くとSRGが弾丸を放った。
――しかし敵もただの的ではない。電磁を帯びた弾丸は無情にも既に敵のいない場所へと着弾する。
「――くっ、非国民の分際で!」
敵もライフルを乱射してきてそれを回避する唯李。俺もSRGで応戦しているが一向に当たらない。
「――どうしたの蒼堂くん!? 全然当たってないよ!」
「……大丈夫さ唯李。原因はもうわかっている」
「え?」
SRGが当たらない理由、それは2つある。
「唯李、地上に降りてその場にじっとしてくれ」
「それだと敵のいい的になりますけど」
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