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青みがかかったショートカットの女の子が青い空と白い雲を背にして俺の前に立っていた。彼女の名前は千月美菜。俺が通っている王都大学の生徒で昔からの幼馴染みだ。
「はい、これ」
左手に持っていた缶ジュースを俺に軽く放り投げた。冷たいものの正体はこれだというのが確定した。
「お、サンキュー」
「どういたしまして」
美菜が俺の隣に座り、缶のフタを開ける。缶の口から微量の炭酸が吹き出しがため、慌てて俺はそれらを飲み込んだ。
「ところでレポートの方はどうなったの?」
美菜がそう問い掛けると先程レポートを完成させた俺は自信満々にこういう。
「俺が忘れると思うか?」
美菜はまだ開けてなかったジュースのフタを開き一口飲む。
「さっきやってたのは何かな?」
……レポートです。
「あ、あれはその……えっと」
「いいわよ別に。私、番条先生にチクる趣味なんてないからさ」
「はは、ありがとう。番条に知れたら死刑物だしな……」
しばらく2人は、ベンチで世間話をしたりして真夏の昼休みを過ごしていった。戦争のない、平和な日常が毎日のように続いていると思いながら……
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