平和が壊された日

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――太平洋周辺  自然光の太陽によって海面が七色と光っていた。そこに無数の船が列島に向かって進行。黒く染まり、幾つもの砲台が生えたそれは軍艦であった。 「進路そのまま。仁王、大和、迅雷に作戦開始通達!」 「我々は今から日本国に対して奇襲を開始する! 全軍戦闘配置につけ!」  甲板には黒く、全長12mの巨人な2脚の鉄の塊がカタパルトに接続していた。上部に突出した頭部と思われる物体から、ひとつの丸くて赤い発光体が点灯する。 「諸君! 待ちに待った時が来た! 我々大日本帝国は今こそ異国の文明に呑まれた母国を変えるときが来た! 失われた愛する祖国の為に! 進軍!」 「帝国のために!」 「大日本帝国のために!」  鉄の巨人がレールに導かれて、甲板上から日本列島に向かって翔んでいく。深紅色に光るひとつ目はまっすぐと、自ら聖地を奪い返す為に、牙を煌びかせる。 ――王都大学  講義室にはまばらだが他の生徒が番条の到底終わりそうのない講話を受けていた。俺のその中のひとりである。 ……大変でも今日で1学期は終わりだからサボらずやりますか。 「――であるからにして1945年に日本はポツダム宣言をした訳でぇ……」  日本史の番条は俺達を背にして喋りながら、黒板に文字を書いていた。
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