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――ベースキャンプ
「……」
作戦は既に終えて、今も多くの避難民がいるベースキャンプに戻ってきた俺。
愛機、《Mk-零七》が地上に降り立ち、ランドセルの上部ハッチが開く。席から立ち上がればそこは荒れ果てて変わりすぎてしまった王都町の景色。
『早く降りて』と唯李に急かされ、ラダーのフックに脚を掛けて、自動的に地上へと移動を始めていく。
数秒が経ち、地上へと到着した俺は足をフックから外す。空を見上げると、さっきまでコクピットが遥か上まで、高い場所にあるのだと、改めてBGの巨大さを実感した。
「……」
視点を戻すと、そこには美菜と手負いの鳴迫がいた。
鳴迫は腕や頭部に包帯が巻かれており、美菜の肩を借りている様子。どうやら脚もやられているらしい。
「お帰り。要」
「どうやら、吹っ切れたようだな。今、いい顔してるぜ要」
「美菜、鳴迫……」
ありがとう鳴迫。ありがとう美菜。2人のおかげで力を取り戻した。
もしも、あの時2人の声が無かったら今頃俺はここにはいなかっただろう。友との絆。それがあったから今の俺がいるものと同じようなものだ。
「いつまでも……私達は要の味方だよ」
「そして最高のダチな」
「みんな……」
心の中に溜まっていた孤独と悲しみが一気に吹き出してしまう。
感涙を受け、その結果涙を流し、がっくりと膝をついてしまった。
「おい泣くなよぉ」
「本当に……ありがどう……」
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