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「……ふぅ」
要が友との再会をしているのを唯李はドリンク片手に項や頬についた汗をタオルで拭いていた。
常に周りに意識をしていて、休む暇なんてなかった先の戦闘をした本人にとって、今この瞬間は安らぎの一時であろう。
「全く、若いっていいね……」
「君もまだ若いでしょ」
「ん……?」
声の主がいる上を、唯李が見上げると積み上がった瓦礫の上に少女が、オペレーターグローブを握り締めて立っている。2、3メートルもある瓦礫の高さから大きくジャンプをして、よろけず見事に直立で地面に着地をした。
「そういう悠香も。だけど私達は……」
「皆まで言わなくていいよ」
上に着ていたチェストを脱ぎ捨てて人目を気にせず黒いスポーツブラになって唯李の脇に寄り添うように座る。そして唯李の肩に頭を軽く付け、悠香は呟く。
「おかえり……」
「……ただいま」
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