1062人が本棚に入れています
本棚に追加
「早くしろ蒼堂! 美菜! 死にたいのか!?」
鳴迫の怒鳴り声。講義室にいたみんなといつの間にかはぐれてしまい、今は俺と鳴迫、それに美菜の3人で目指している所などなく、ただただひたすらにあの巨人から逃げていた。周りの建物は既に破壊され、火が立ち上がり、逃げ遅れた人はもう地面に倒れこみ……
「うぅ……要」
「酷すぎる……」
もはや言葉にでなかった。
巨人は手に持っている巨大な銃器でまだ破壊活動をし続けていく。
「――っこのやろぉぉ! お前らは一体何なんだよ!」
「蒼堂!? 危ない!」
鳴迫が横から俺に飛び付いてきた。その瞬間――
「うわぁぁぁ!!」
俺達がいた場所から数m離れた場所で爆発が発生した。その爆風によって軽々ととばされてしまった俺と鳴迫。激しく地面へと衝突し、終始痛みに悶絶する。
「だ……大丈夫か?」
「鳴迫……? 鳴迫!!」
見ると、鳴迫の頭から流血しており、腕にもワイシャツから血がにじみ出ていた。
「要! 鳴迫!」
「美菜! 鳴迫が……鳴迫がケガを!」
その矢先、目の前にいた巨人が俺達の前に近づいてきた。巨人はライフルのような巨大な銃器を蟻同然の俺達に銃口を向けている。
「――!」
もう駄目かと、人生の終わりが来たのだと思った――しかし、突然、巨人の体が爆発したのである。いや、正確には何かによって爆発したのであった。何かはすぐにわかった。俺達の後ろに護ってくれた巨人が砲身の長い銃を構えて立っていたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!