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2時間目と3時間目の間の、貴重な休み時間。
友達の美樹が、今朝、好きな人に告白すると聞いたあたし。
その様子をこっそり伺いに、告白する場所の定番、体育館裏へと来てみれば。
そこには、友人の姿と……
あたし、高坂春香の想い人が向かい合って立っていた。
美樹は俯き、両手で顔を覆っていた。
よく見ると、目を擦っているような…て、もしかして、美樹、泣いてる?
この瞬間、カーッと顔が…身体が…怒りで熱くなるのがわかった。
何で、どうして?
…あなたがあたしの友達を泣かしてるの?
頭が真っ白になったあたしは、思わず自分の立場も忘れて二人の前に飛び出していた。
「加賀見!いいかげんにしなさいよっ!!」
とあたしが叫んだのと同時にバシンッと響き渡る無機質な音。
加賀見は驚いた表情で自分の赤く腫れた左頬を押さえていた。
そして、その向かい側にいた小柄で可愛らしい女の子が、目を見開いてあたしと加賀見を交互に見た。
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