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KAITOは何度かまばたきをした後、ぼんやりとしていた瞳を俺に向けたと思いきやスッと焦点を俺に定め、ジッと見つめてきた
「ッ........」
つい驚いてビクッと体を跳ねさせてしまった俺は、今の状況が分からず息を飲んだ
だが、見つめてくるKAITOの瞳にまるで吸い込まれてしまうような錯覚を覚えた
そこから、目が離せなくなる
どこまでも深く、青い水晶体
人工的に作られた瞳
その美しい双眸は、俺だけを映していた
まるで何かを刻み込むように、ただただジッと俺を見つめてくるKAITO
そんなKAITOから目を離す事が出来ない俺は、KAITOはしばらく見つめ合っていたが、突然室内にピーという機械音が鳴り響いた
さっきも同じような音を聞いた気がして、目だけを動かして音源を確認する
その音は、どうやらパソコンからみたいだ
目の前のKAITOも気になるが、今は何故音が鳴ったのかも確認しなければいけない
目線だけ動かしてパソコンを見てみると、その画面には[マスター登録完了]の文字が
......マスター、登録?こんなの説明書に書かれてたか?
まぁ、あっても読んでないと思うけど
画面に映し出されていた文字を見ながら思考を巡らせていると、不意に前方で何かが動く気配が、した
俺は背中に冷や汗が伝うのを感じた
まさかとは思うが、恐る恐る視線をKAITOに戻すと、
そこには
「初めまして、マスター」
俺をしっかりと見つめ、花が綻ぶかのように美しく、ニッコリと微笑むKAITOが居た
耳に心地よいテノールが、鼓膜を震わせた
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