始まり

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「なっ、お、お前.....!」 ドキドキと煩い心臓を上から押さえ、俺は口を開いて震える声を振り絞りやっとそれだけ言った ....本当はもっと色んな事を言いたかったけど、あまりにも動揺していたせいか言葉が喉につっかえたように出てこなかった するとKAITOは機械とは到底思えない自然な動きで首を傾げ、何か考えるような顔をしてから「お前、じゃなくてKAITOですよマスター」と言った だけど、その声はやっぱり機械っぽさの残る声で ......落ち着け、落ち着け俺 目の前でニコニコと笑っているKAITOを見ていると、頭の中から色んな物が吹っ飛んでいく気がする 俺は大きく息を吸い込んで....吐き、まずは名前を呼んでみる事にした 「KAITO?」 ...疑問系っぽくなってしまったのは、つっこまない方向で宜しく 俺は様子見のつもりで呼んでみたのだが、KAITOは俺に名前を呼ばれた瞬間目をキラキラと輝かせ、嬉しそうに「何ですかマスター!!」と返事をしてくれた あれ、何でだろ...KAITOに犬の耳と尻尾が生えて見える 何かめっちゃ尻尾がパタパタしてる .....俺ももう年かな... そんな事を考えながら目を擦っていると、KAITOが顔を覗き込んできた 「うわっ...どーした?」 目を開けたら目の前にKAITOの顔がドアップであって、かなり驚いた 俺、さっき驚いて後ずさって距離が離れたのに...いつの間に移動したんだ?コイツ でも俺の顔を覗き込んでくるKAITOの顔は、眉を八の字にして目が潤んでいて....あまりにも心配そうにしてたから「大丈夫」と言って頭を撫でてやった .....あぁもう、そんな子犬みたいな目で俺を見るなって!!!何か居たたまれないじゃん!!
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