序章

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憎い 苦しい 逃げ出したい。 けれど、許されない。 この身を焦がす痛みがそれを許さない。 私達は逃げられない。 この憎しみの連鎖から。 「行こう、こさめ」 右の赤紫の瞳が泣く。 「うん、ひさめ」 右の青紫の瞳が答える。 私達は決して立ち止まらない。 その先が 血に濡れた道だったとしても。
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