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☆迷子
アタシが働く職場
ホームセンター的な店
毎日本当にいろいろな
お客様が来る
毎日の様に目にするのが
迷子
不安そうに無言で探し回る子
泣きわめきながら座り込む子
近くの大人にママとはぐれたと訴える子
恐怖の表情で絶叫する子
…
アタシが担当しているのは工具等がある店の中でも
片隅のポツンとあるレジ
迷い込んで来て泣いて居る子を良く目にする
「ママ~!ママ~!(泣)」
お客様が一段落してたいてい聞くのが「どしたの?」
「ママが居ないの!」
「そか、じゃさ、お店の放送で皆に聞こえる様にママ探してもらおっか!」
そこでしゃがんで右手を出すと、おそるおそる拭った涙で湿った小さい手を重ねて来る。
そこでアタシはサービスカウンターに着く迄に緊張を解しながらカウンターの社員に引き渡す。
「もう大丈夫だよ、すぐ来るからね」
「うん…」
「じゃおねがいします」
「了解です」
不安そうな顔で手を繋がれながら放送を聞いている。
…しばらくしてカウンターに来る家族達。母や父、祖母や祖父等。
その中でも最近増えて来たと感じるのは…
保護していた係の存在を忘れている事。それは言葉がナイ事。
別にお礼が言われたい訳ではなく、本当に言葉が足りない。係だけでなく迷子になっていた小さい子供に対しても。
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