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ボーンボーン
壁にかかっている年期物の古い時計が時を知らせる。
「おや、そろそろ支度をしなくては」
そう言って日本はいつもは一度入ったら抜け出せないこたつから腰をあげた。
老眼鏡を外し、どてらを脱いでじじいとは思えないキビキビした動きで支度していく。
「さぁ早くしないと2時に待ち合わせしているイギリスさんとの約束に遅れてしまいます」
説明的な台詞が誰もいない室内に響く。
なぜ2時に待ち合わせなのに日本はこんなに早くに支度しているのか?
それは日本はある目的を持っているからである。
「私はじじいですけどやはり恋愛は甘酸っぱいものにしたいわけです。なので今日のイギリスさんとのおでかけは少女漫画モードでいきますよ!」
というわけで、少女漫画の王道、
『ごめん。待ったかな?』『ううん全然。じゃ行こっ』
というのをやりたいのですっ!
そしてじじ…日本はタンスに向かい引き出しを開けて真剣な顔で思案する。
これも少女漫画プロジェクトのなかに入っているらしい。
「う~ん、今日は寒いしこの服がいいですかねぇ…それともこっちですかね…」
と言ってもタンスのなかには着物しかないのだが。
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