「アンタに笑顔を

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そいつは気障(きざ)にいったのさ。    「名乗るほど大した名じゃないが、誰かがこう呼ぶラフ・メイカー。アンタに笑顔を持ってきた。……寒いから入れてくれ」    はぁ?!ラフ・メイカーだって? 冗談じゃあない!そんなもの呼び寄せた記憶なんかないぞ。     俺はうんざりして、吐き捨てるようにドアの向こう側のイカれたヤローに言ってやった。   「俺に構わず消えてくれ。 ……そこに御前が居たら泣けないだろう」      こんな事を見ず知らずのラフ・メイカーに言ってしまうゆがんだ自分が嫌で、また涙があふれ出してきやがった……。   畜生。
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