幼少期

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その引越しの日 少女に別れを言おうと思い、僕はいつもの公園に遊びに来た 少女を探していると、公園前の横断歩道前に少女の姿を見つけた 僕は声を掛けようと走り出した 横断歩道に着いて、向こう側に手を振って『おーい!』と声を掛けた 少女は何故か青ざめた表情で何かを言っているようだった 遠くて聞こえない… 横断歩道が青に変わり、横断歩道の音が鳴る 彼女が歩き出した瞬間、トラックが少女へと向かっていって…… 鈍い音と共に少女の姿が空中を舞う 黒いアスファルトに広がる赤 鳴り響く横断歩道の音 いつもはこんな音をなんとも思わないのに… 世界で一番この音が不快な音のような気がした 崩れ落ちる意識と記憶の間に向こう側で泣き崩れている男の人の姿が見えた…気がした……
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