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ジョカはからかうようにいう、ジョーカーはちっ、と舌打ちして離れた。ジョカに譲るつもりらしい
「じゃあ、じっとしててねカルティエ」
「うん・・・」
暴れたりはしないよ、普通に
微かに頭を触られる感触、ジョーカーと違ってジョカは丁寧
「・・・はい、取れた」
「ありがと」
早い、流石マジックとかしてる人、器用だ
ジョカは僕の髪から取ったのだろう紅葉を指で弄ぶ、ちょっと形が崩れてるのはジョーカーのせいだと思う
「紅葉は好き?」
「うん、好きだよ、綺麗だし・・・」
「だし?」
「・・・・・・やっぱりいいや」
「なんだよ中途半端だな、いえよカル」
「・・・・・・み・・・から・・・」
僕がぼそぼそ呟くと聞こえなかったみたいでジョーカー達は僕の顔をじっとみた
・・・ジョーカー達は気になった事は追求するから僕が折れるしかないのは分かってる
だけど・・・
「聞こえなかったからもう一回いって欲しいな」
「さっさといえよ」
二対一は分が悪い、僕は諦めてため息をつく
二人に嘘は通じないし、正直にいおう
「・・・紅葉って・・・ジョーカーとジョカみたいだから」
「「は?」」
「・・・だから、ジョーカー達と会って紅葉がもっと好きになったんだ」
綺麗な朱は人を楽しませて
でもいつの間にか消えてしまう
でもまた現れる
季節が巡るように
僕が笑うとジョカ達の頬が少しだけ赤くなる
僕のガラじゃない事をいったからだと思う
「・・・?」
僕の両サイドにジョーカーがやって来て肩をがっちり掴んだ
え?
「今回は楽しかったよ、ありがとう、カルティエ」
「うん・・・?」
「また誘えよ、カル」
「うん・・・」
キョロキョロ、ジョーカーとジョカの顔を見る
二人はそれぞれ少し感じが違う笑みを浮かべていた
混乱している僕に二人の顔が近付いて、僕の目元に優しいキスを落とす
「・・・・・・え?」
いきなりの事に僕は一瞬きょとん、として
顔が熱くなるのを感じた
「っっっジョーカー!」
「あははっ」
「けけけっ」
二人は僕が赤くなったのが楽しいのかけらけら笑う
・・・どんなに頑張っても道化師には敵わないらしい・・・
END
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