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ナレーター
「一人の子供は椅子に座ってテレビアニメを見ていた。 極々、普通のバトルアニメ」
千尋
「お母さん、何で悪者はヒーローに倒されちゃうの?」
亜希子
「それはヒーローが正義だからよ」
千尋
「正義なんて嫌いっ。 悪者が可哀想だよ」
亜希子
「尋は優しい子ね」
千尋
「……ヒーローなんて居なきゃいいのに」
ナレーター
「また、こちらでも一人の子供が寝転んでテレビアニメを見ていた。 もう一人が見ていたのと同じ普通のバトルアニメ」
翼
「お母さんっ、ヒーローって格好いいよね!!」
雅美
「翼はヒーローが好き?」
翼
「うん、大好き!」
雅美
「ふふっ、翼の将来は正義のヒーローかしらね」
翼
「ヒーローになったらいっぱい悪者を倒したいな」
ナレーター
「何度も何度も季節が変わり2人の少年は高校生になった」
千尋
「僕はヒーローが嫌い」
翼
「俺は悪者が嫌い」
千尋
「ヒーローは卑怯者だから」
翼
「悪者は悪い奴だから」
千尋
「だから、僕は」
翼
「だから、俺は」
千尋
「悪者になった」
翼
「ヒーローになった」
ナレーター
「光になる少年と闇になる少年の物語は今始まった」
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