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鏡を見るのが大好き。
髪型やメイク、服や小物にこだわるのが大好き。
少しでも自分が綺麗だと、気持ちいいから。
1994年7月22日 17:00。
本日の仕事も終わり、更衣室で私服に着替えてはメイク直し。
そう。高校を卒業して、一流ではないけれど名前の知れた会社に入社してOLしてる私。
「中嶋綺子21歳。行けます!!」
戦闘準備、完了。
敬礼のポーズで振り返ると、今夜我々に戦闘の場を与えてくれた先輩はパイプ椅子に足を組んで座り、煙草を吸っていた。
「ちょっと先輩!! ここで吸わないで下さい。匂いがうつっちゃうでしょ」
「ごめん、ごめん」
謝りながらポケットから取り出したのは、海外のアンティークショップで見つけたと言う赤い小物入れ。
そんな物を携帯灰皿にしちゃうところが、また格好いい。
藤堂詠美先輩、28歳。
肩で切り揃えたワンレンの、いかにも仕事出来ます風の美人。
実際に企画部の主任で仕事をバリバリこなしている。しかし、7つも離れてるのにそれを感じさせない可愛いところもあったりして。
「先輩。結局、今日の合コン相手はどこの課なんですか?」
先輩はいつも美味しい合コン話を持って来てくれるのだが、今回に限っては今日になっても教えてくれない。
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