2.箱庭の主(アルジ)は

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2.箱庭の主(アルジ)は

 「“彼”にしてみれば、この世界全てが生き餌に過ぎないのですよ。そして私達“――――”は、“彼”の飼育員でもある訳です」              そこで一度言葉を切り、自身の背後にそびえ立つ“彼”を見上げる。  視線の先には、時を経るにつれて生贄を求めるだけの食い道楽になってしまった、本来の世界の“飼い主”が深淵の入口とも云うべき口腔を無防備に解放していた。              溜め息一つ織り交ぜ、青年は付け足す。             「流石にアレは、些か成長が過ぎますがね」              そもそも“彼”に監視の意味を兼ねる飼育員など、必要ないのだ。  所詮、“彼”にとって世界は小さなケージに過ぎないのだから。                        
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