24日

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お疲れ様、と更に鮮やかな笑顔を残した篠崎がその場を去ってからも、二人はその場を動けずにいた。 「なぁ、あの人って…確か30歳越えてるよな?」 紹介された時には自分より3期先の第二内科の医局員だと言っていた。 留学が2年。 どう見積もっても30歳以下である筈がない。 それであの可愛さは何だ? ――――可愛い?! 俺、変かも… 麻倉は自分の考えに空恐ろしいものを感じて、大きく首を振って否定する。 「なんか…篠崎先生の彼女が羨ましい…」 若い女性の顔に戻った看護師が漏らした実感の篭った呟きは、暗くなった検査室の闇に消えた。
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