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モニターの音だけが響く中、淡々と処置をする医師達はグリーンのガウンを纏ってさながら手術室の装いで治療を行う。
その見慣れた格好に、麻倉はふと既視感を覚えて大きな嵌め込みガラスの前に座り込んだ。
「あら~篠崎先生、使った薬剤時間と本数ちゃんと記載してくれてる。助かるわ」
「篠崎先生はあんな緊急の中でそんな事もやってるのか?」
只でさえ時間との勝負が決め手である心臓内科の篠崎が、あの慌しさの中で看護師に対する配慮までしているとは驚きだ。
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