(2)運命のステアリング

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言葉にはならないが、漠然とこのギャランという車への運命のようなものを感じていた。 親父と数回の話し合いの末、実際に車を店へと見に行くことが決まった。 店でユウスケを待っていたギャランはパソコンで見るよりもはるかに大きくて、はるかに存在感のある車であった。 連日の黄砂の影響から、茶色っぽく汚れてこそいたが迫力のある車体からはただならぬオーラを感じられた。 内装は黒一色で統一され、運転席と助手席には走り屋御用達のレカロ社製セミバケットシートがおごられ、momoのステアリングとあいまってスポーティーな走りの雰囲気を作り出していた。 ミッションは5速ATだが、MITSUBISHI自慢のINVECS2と呼ばれるシステムで自在にシフトワークを楽しめるスポーツMTモードが搭載された。
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