(2)運命のステアリング

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抜け殻のような日々がしばらく続いた。 ワゴンRに乗ることは相変わらず憂鬱だったが、車がなくては生活の成り立たない田舎では、嫌でも乗らざるを得なかった。 時間は無情なものだった。 ユウスケの負った深い傷も時間とともに少しずつ癒え始めていた。 と言うよりも、ゲームに熱中することで自身をごまかしていた。 悪い方向に切れていたステアリングに徐々に修正舵が当てられ始めていた。
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