「鬱病」

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これは私が物心ついた時から、私の中に宿っていた病名。 自覚したのは僅か六歳か七歳。 まだ幼いであろう私は、一人ぼっちになると、何時も憂鬱な顔になっていた様に思う。 家で憂鬱な表情を見せて、心配されるのは嫌だった。 少ない友人と…家族の前では、明るくしていたかった。 子供なのに、気を使って…と思われるかもしれない。 実際、今年、鬱病である事を母に打ち明けた時に、母にそんな言葉を言われた。 実の親に気を使って、なんて。 けれど嫌だったのだ。 常に自己嫌悪し… 自分を殺したいと考えてるなんて… 誰にも言えなかった。 ††† 今は精神病である事も、鬱病である事も打ち明けたのだが。 極力、鬱状態の時は親に打ち明けないし、顔も合わせない。 事実、今日は親と少しだけ会話して、顔を極力合わさなかった。 ††† 何故、そんな幼い頃から自分を殺したいなんて思ったのかは自分自身ですら、ボンヤリとしか解らない。 ただ、自分はこの世に存在する必要のない人間だと…幼い頃から思ってたのは事実だ。 自分さえいなくなれば。 ††† 幼い頃、夕方、一人ぼっちで冷めた顔をして、佇んでいたのを覚えている。 明日なんて来なければいいのに。 そんな事を考えていた。 明日が来たら学校に行かなければいけない。 また虐められるのだろうか??? またパニックを起こして暴れ回るのだろうか??? また…「気違いの妹」と蔑まれ、虐められるのだろうか??? 私は憂鬱だった。 もうすぐ夕ご飯。 元気な顔を作らなければ。 †††
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